あなたの看護への“想い”を、ともに考える

全国高齢者施設看護師会 事務局 〒541-0044 大阪市中央区伏見町4-4-9 淀屋橋東洋ビル3階

私たちが目指すこと

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施設看護師の現状

現場の声

「看護師の在り方に悩んでいます、”介護職のサポート的な存在”になりたいのですが…」
”病院では医師の指示”のもとに動いていましたが、判断に迷う時がある…」
「高齢者は成人と違い、症状も非定型で自分からの訴えが少なく、また認知症のため適切な表現が出来ないなど、判断がとても難しい」
「頼る人が少ない中で常に判断が求められ、本当に正しかったのか”不安と責任”を感じる」
「介護をきちんとしたいと思うと、看護師の”仕事が後回し”になり自分は何なのかと悩みます…」
「高齢者施設での看護を”楽だと勘違い”している人が多い、また病院看護に囚われすぎている同僚に対してどうしたらよいか…」
「病院看護の情報は多いが、施設看護の”情報が本当に少なく”、最新の情報を知りたい」
という声を良くお聞きします。

老年看護のパイオニア・中島 紀惠子氏の想い

高齢者施設における老人看護の特色

老人看護とは、老いてゆくがゆえの衰えと、追い打ちのようにやってくるさまざまな病い、不完全な回復、そして、いずれ訪れる死に至るまでの長い健康上の問題や健康予防を求める人々を対象とし、一人ひとりの身体が本来的に備えている生命力を生活の場において支援する活動、といえます。
老人看護には、病院看護ではなかなか味わえないけれども高齢者介護施設では手に入れることができるケアの面白さがあります。
これをケアの特色という観点から挙げておきましょう。

  • 一人ひとりの生命、生活、生涯の流れを時間をかけてアセスメントできること。そのプロセスでは、その人なりの人生の物語りに触れられ、その人固有の思いに添って生と死に対する人間としての敬意を新たに分かっていく機会が多いこと。
  • 生活の場を起点にして老人の身体リズムやバランスの不調や身体症状(発熱、痛み、浮腫、かゆみ、不眠、脱水、嘔吐など)を、疾患との関係からアセスメントする責任や、問題の所在を推理・推論する役割を利用者や他職種から期待されること。
  • 他職種とケアの連携をしなければ、アセスメントそれ自体が機能しないこと。すなわち、ケアに関係する全ての職種が何らかのアセスメント力を有しているので、チームづくりを怠るとより良いケアの方向性を共有できなくなるということ。
  • 本来的に物事の推理・推論は不確実性を伴うものです。故に看護師は他職種のさまざまな考えに耳を傾けて出来事の意味を見出す機会を常に用意しなければなりません。それによって、自分のすべき役割に気づく機会も多くなり、迅速かつ柔軟に対応することができる機会や役割が広がっていきます。実は、このような役割を自ら取れる看護師を介護施設は求めているのです。
  • 利用者の健康状態、活動する身体、自立度などの様々な変化の全ては利用者が暮らしている生活の場で起きるので、利用者もケアに直接・間接的に参加しているのです。看護職は、利用者の有限無限の訴えやアセスメントで得られることのできた問題を統合し、利用者の健康と生活上の支援すべき課題をヒストリーとして関係者に語ることが期待されています。いうまでもなく、人は役割を期待されてこそ、本気度、やる気度は、高まるものです。やる気が、求められるケアスキルの吟味や優先度を選択する力を磨くのです。高齢者介護施設は、今、すべきことのみならず、保留すべきことや、忍耐すべきことの多くをも学べる場所です。

中島 紀惠子氏プロフィール

中島 紀惠子
略歴
新潟県立看護大学名誉教授
公益法人日本看護協会看護教育研究センター 元学校長
日本老年看護学会 元理事長
著書
「老年看護学」第1~6版(編著)、医学書院、1987~2009.
「高齢者の生活機能再獲得のためのケアプロトコール」(監修)日本看護協会出版会、2010.
「老年看護の縦横な語り~ライブ 中島紀惠子と教え子たち」(共著)クオリティケア、2011.
「認知症患者の家族ケア」(共著)選書、家族看護、第4巻、日本看護協会出版会、2012.
「新版 認知症の人々の看護」(責任編集)医歯薬出版社、2013.他、多数

活動指針

私たち全国高齢者施設看護師会は、高齢者施設の看護師が専門性を発揮できる環境を作ることで、お年寄りが「その人なりの生活」を最期まで送っていただくことを目指して活動しております。

『施設看護は今まさに大きな転換期にあり、 施設看護師の輪を広げたい』

施設看護師は、本当に”魅力と夢”のある職業です。
大きな病気にかかり障害を負ってしまったお年寄りの心の痛みに、苦しみに、最期の時まで医療と生活という両面から寄り添うことができる、”唯一の存在”です。

高齢者施設では、病院のような医師の指示もなく、看護師も少ない限られた医療環境下で幅広い看護実践が求められ、同時に責任もますます増しています。しかし現状は、看護業務が明確に確立しておらず、専門性を発揮することが難しいといえます。
一人の力では出来ないことも、”みんなで支え合い、共感し合うことで”施設看護師の専門性を活かしたやりがいのある看護を現場から確立し、お年寄りが最期までその人なりの生活を送っていただけることを目指します。

沿革

2011年4月1日 全国高齢者施設看護師会の設立
高齢者施設における看護師の専門性について活動をスタート

詳しい活動内容に関しては、今までの活動ページを御覧ください。